標記について、報道関係者からの強い要望により、試みに承認した例があったが、実情等を検討した結果、別紙のとおり極めて危険度が高いので、今後は、特に指示するほか認めないこととしたので了知されたい。
  特に、報道関係者等から支部等に直接要望があった場合には、引渡し後適当な時期に便乗見学の機会を極力設けることにつき、海上幕僚長と協議ずみであるので、引渡し後の便乗見学については海上幕僚監部に依頼手続きをとるようしかるべき指導、説明方取り計られたい。
添付書類:別紙
写送付先:海上幕僚長
      各事務所長、東京支部検査第2部長、大阪支部検査部システム調整官(潜水艦)

分類番号:S−S1−S16
原本保存期間:30年

別 紙

一般に馴れない者が乗艦して海上に出る場合は、気分的に平静を欠きやすいものであり、そのため事故を招きやすく、また発生した事故を大きくする恐れもあって未成艦艇は、次のとおり就役艦艇と異なり危険な要素が多いので一般の人の便乗見学に適しない。

1 艦内には、危険物が散在している。
  艦艇は、公試段階になっても未だ艦内各部には、多くの工事が仕掛中で各所に突起物、開孔、電線、パイプ等が散在しており、見学行動上危険である。

2 救難、救護設備が完備していない。
  艦内各部は、工事中のため、防水隔壁が完全でなく、救命艇、救命具、消火設備等の整備も十分でない。また、医務室等救護設備も未完成のため使用できず医師も乗艦していない場合が多い。

3 訓練された乗組員がいない。
  艦艇は完備された救難、救護設備の他訓練された乗組員の規律ある行動によって保安の万全を期し得るものであるが、公試中は、公試実施責任者である会社側職員、検査監督を行う検査官及び公試立会のため若干のぎ装員が乗艦するが、組織された個有の乗員でないので保安上必ずしも十分とは云えない。

4 公試は、それ自体危険なものである。
  公試の種類には、砲銃公試、水雷公試、潜航公試のようにそれ自体危険なものであり、かつ公試に際して初めて発砲、発射及び潜航等を行うので、危険度はさらに高いものである。